2004年の武蔵野はらっぱ祭り開催中止についてのコメント 2003年のはらっぱ祭りは、過去最高の人々が集い、大盛況の内に終えました。 |
去年(2004年)の武蔵野はらっぱ祭り開催中止について
第一の理由として、 祭り会場「都立武蔵野公園」使用許可条件の一つ、「小金井市教育委員会後援」が今回取れないことです。 (1)近隣迷惑行為があった (2)大麻自由化運動団体の参加があった 以上の理由からですが、特に小金井市教委や小金井市議会で問題となったのは(2)でした。 「次回の武蔵野はらっぱ祭りの後援承認をしないものと決定」(小金井市教育委 員会生涯学習課/4月9日) 「過去に承認したもので、承認の条件を履行しなかったものについては、承認をしない(審査基準)を適用」 都立公園を借りるには「周辺住民の理解」が不可欠であり、尚かつ「市レベル以上の後援等」も必要です。 「小金井市教委後援」もその一つですが絶対条件ではありません。 (1)他市(公園管理事務所所在地は府中市)の後援を取るか、市教委ではなく「小金井市」の後援を取る (2)東京都や国の後援を取る (3)例えば野川公園などに開催場所を移す (4)小金井市教委決定の再考を促す (5)公園使用許可条件の緩和を促す、 など他にも方策を考えることはできます。 しかし「近隣迷惑行為」については、それが厳密に適用されるとすれば、「第3回武蔵野はらっぱ祭り」以降多かれ少なかれ当てはまるものです。紆余曲折はありましたがそれでも継続してこられたことは、市教委やとりわけ近隣住民の「温情」に依ると思われ、感謝に堪えません。 ゆえに「教委後援中止」に関して殊更「大麻」問題が注視されていますが、はらっぱ祭り実行委の本意ではないので解決は可能です。 しかし、どのような形で開催するにせよ、「迷惑行為」問題の解決に向けた体制を整える必要があります。この問題は実行委としての十数年にわたる懸案の内部問題であり、必ずしも「個人」の問題に矮小化できる性質ではありません。 「周辺住民の理解」というのは単なる許可条件ではないのです。この祭りの理念にとって最大ともいえる課題追求を希薄化させてきた責任は極めて大きいということなのです。 今一度祭りの原点に戻り見直す「時間」が必要です。それは、今年の祭りの準備と同時に検討できるというような安易な考えでは到底達成できるものではないものです。 来年の祭りを見据えた検討を始めていますが、どこまでできるか、果たして来年開催できるかどうかも分かりません。けれども原点とは、惰性の継続ではなく「可能性を追求する」ことではないでしょうか。 「くじら山下原っぱ」には、野川の洪水対策としてコンクリートの「空箱」にされる(第三調節池)計画がありました。それは地元の方々や野川周辺の環境団体の保存運動が功を奏し先送りされましたが、計画はなくなったわけではありません。 「洪水対策」そのものは「住環境等を守る」もので否定できない側面もありますが、私達はこの貴重な「原っぱ」がいつまでも残ることを願っています。 「街に根付き、人と出会い、新しい都会の周辺文化を作る」と張り切っていた「はらっぱ祭りゼロ回目」がありました。「文化は遊びを通じて生まれる。遊びを通じて自由に表現する空間を作りたい」という想いがありました。 「原っぱ」はその恰好の「場」なのです。 来年の開催に向け準備中 第3回目以降祭りの参加者は増え続けました。本来なら喜ぶべきことでしょうが、管理運営責任を果たせなくなった側面もあり、それが問われています。作りたいと思うことが作れる、スタッフ同士の連帯・共同達成感、それもスタッフの醍醐味なのですが、皮肉なことに、思うようにならなくなりがちで、回を重ねる毎に楽しめない不満もでます。「スタッフでなければ味わえない楽しみ」は確かにありますが、努力が必要かも知れません。 昨年来指摘されてきた多くの問題の大半は、演奏時間を守れなかったなど、長年にわたり抱えてきた問題であり、実行委としての「迷惑行為」に他なりません。 それだけに、開催実績に頼ってきた不遜さを払拭する困難な作業が不可欠であり、それを追求するのが今年のスタンスです。 新しい息吹=スタッフを大々的に募集しています! 「大麻自由化運動団体の参加」について はらっぱ祭り実行委はいかなる組織・団体とも無関係な市民有志によるゆるやかな集まりです。大麻自由化運動とは一切関わりもありませんし、「大麻犯罪」は認めません。 「市教委の行政目標に違反している」と言われた「大麻自由化運動団体の参加」の件ですが、当該出展者は (1)去年初めての出展者でなく過去何回も参加し、苦情・問題はなかった。 (2)人権擁護団体である。 (3)東京都や国(環境省)が後援する環境保護イベントへの参加実績を重ねている。 を理由に認めたものであり、その限りでは市教委とは見解の相違があります。「大麻自由化運動団体」との認識で参加を許可したわけではありません。 しかしながら、祭り会場で掲げられた当該スローガンは住民に不快感や誤解を与えるものであり、スローガンには「人権」の片鱗もなく、実行委の予期に反したものでした。数件の強い苦情が本部に寄せられていることを伝え、直ちにスローガンなどを外すよう要請しましたが、一部を除き受け入れられませんでした。 「表現の自由」を尊重する立場からそれ以上の強権は発動できないと判断しましたが、市教委後援や健全な青少年に対する配慮に欠けた結果となり、また参加者の活動チェックにも甘さがあったことは否めません。 実行委にとって、「表現の場の提供」「人権の尊重」という一方の趣旨は「祭りの楽しさ」という他方の主旨とどこまで折り合えるかという課題を残しますが、「市教委の行政目標に違反」との小金井市教育委員会のご指摘を踏まえ、今後は当該団体の参加を見送ります。 「近隣迷惑行為」について 一部参加者の言語道断なマナーの悪さには実行委として祭り初期より頭を抱えており、最近の「個人モラル」低下問題と誰しも認める所なのですが、実際迷惑を被る近隣住民にとっては深刻な住環境侵害問題であり、「はらっぱ祭り」がなければ起こり得ない問題として受け取られるのは当然です。それにも関わらず、これまで17回も続けられたのは、近隣のみなさまの並々ならぬ忍耐があったればこそと感謝しております。 「迷惑行為」根絶は実行委の悲願です。規模の縮小やスタッフの充実など視野に入れ、実効ある具体策に真剣に取り組まなければならないと肝に銘じています。 原点は第1回目の「爽やかな祭り」(遊び・表現・文化・交歓・交流)であり、支えは、それ以降今日まで暖かく見守って下さった多くの市民の「声援」並びに近隣のみなさまの「声なき声」にあります。 今後の小金井市教育委員会後援承認について(市教委の見解) 「将来にわたって後援しないというものではなく、多様な社会教育活動を支援する立場から、『後援条件を守り、近隣住民への迷惑行為もなく、多くの市民に喜ばれる祭りとなり、主催者としての責任姿勢が十分確認できるまで見守り、小金井市教育委員会の後援基準に合致する』場合は、後援承認を行うものとする」「『教育委員会の後援名義使用等承認制度』は、事業が実施される前に後援名義使用を承認し、申請者は後援承認条件を遵守し、企画書等に基づいて事業を誠実に履行する『信義誠実の原則』で成り立つ、お互いの信頼関係によりこの制度が運用されているものと考えます」 |